潮が沖の方まで引いてて、リーフは黄緑色の海藻がびっしりで海の上に草原が出現したみたいになっている。
海の色も鮮やかさが出てきて、暑さもちょうどよくって海風にあたるといい気分になる。
旧暦の3月3日なのか!
どうりで。
今日は『浜下り(ハマウリ)』の日だったんだ。
海へ出かけてって、砂浜や海水に足をつけて穢れを祓うという伝統行事の日
女性限定w←出た!いつもひっかかるヤツ(渋い表情)
私も子供の頃、家族で出かけました。
亡くなった祖母がまだシャキシャキしてたころ
(我が家にもウチナーオバーが君臨していました。苦笑)祖母に「はいッ、あんたは足をウス(海水)につけなさいよー」と言われたっけ。
何でそうするのか由来の話もオバーから聞いたとおもう。
オバァーの話がリアル過ぎたのか、私の怖いという感覚のスイッチがバッチリ入ってしまうのか、
今でもハマウリと聞くとギラギラ眩しい白い砂浜に女の人が立っていて、その足元にうじゃうじゃ小さな細い蛇が這っている映像が浮かぶのだ。
オバァ―から聞いた由来話は、ネットなどで浜下りの由来と紹介されているのとほぼ同じ。
昔、ある家に年頃の娘がいて、その娘の元へ夜になると青年が訪ねて来るようになる。
密かに会い続けているのだけれど、娘の様子がおかしいと母親が気づき娘に訪ねる。
母親に問われて会っていたことを打ち明けるが、青年の素性もわからないと不安がる娘。
母親は、今度来た青年が来た時には針に糸を通してその針を気づかれないように着物の襟に刺して帰しなさいと知恵をさずける。
翌朝、母親がその糸を辿っていくと、藪を抜けて石垣の間の穴の中へ…
なんとそこにはアカマター(無毒だけど大きめの蛇)が寝ていた。
これは大変、娘が蛇の子をみごもってしまった。
母親が神ンチュに助けを求めると、3月3日に砂浜に降りて海水に足をつけなさい
そうすれば穢れはながれると教えてもらう。
3月3日、言われたとおりにすると…という話。
ギャーッ!怖い―あの情景が…
暑さも伝わってくる!想像なのにぃ~
オバァーは絶対身振り手振りで演じてみせたんだはず
子供の私を怖がらせて嬉々としてる様子が浮かぶ。
さて、この記事を書きながら、ハマウリの由来を検索していると、
宮古島の漲水御嶽の話に出会いました。
漲水御嶽(ハリミズウタキ)は宮古創世の神が祭られているということです。
漲水御嶽に残る昔話では、
村の娘のところに青年が毎夜訪ねてきます。
娘はこの青年の子を身ごもってしまいます。
両親は…と、ここまで私が知っている由来話と同じで、糸を通した針を青年の髪に刺し後をつけます(そうそう、オバァーから髪に刺すバージョンも聞いたw)
ここからがちがう
翌日糸をたどると漲水御嶽の祠にいた大蛇の首に針が刺さっていたのでした。
その夜、若者は娘の夢に現れ、「我はこの島をつくった神コイツノの変化なりこの島の守護神を立てるため汝に思いをかけた。3人の娘が生まれ3歳になったら連れてくるように」と告げます。
やがて3人の娘が生まれ3歳になり言われたように連れて行くと、大蛇が現れ3人の娘は首腰尾に抱き着き仲睦まじい様子を見せ、大蛇は天へ昇って行き3人の娘たちは御嶽内へ姿を消し宮古の守護神になりました。
というお話だった!!
やだ!こっちが良い!と思った。でも子供産まさせるためかい!っても思う。
浜下りの由来を思い出すと嫌ーな気持ちにもなっていたけれど、
ちょっと違う話も発見したのですこし良かった。
昔話って排他的で抑圧すごいから「浜下りの由来」も、他の村の青年と付き合わせないためとかの脅しなんだろうと思う。
ただでさえ女性は穢れって呪縛をかけられてるのに、蛇うじゃうじゃとかあり得ないさね。
でもまぁ今は清めの行事というより、家族で潮干狩りに出かけたり楽しい時間を過ごす感じかもしれない…
その方がいいな。
昔は良かったという雰囲気が、走り過ぎませんように。
抑圧が加速しませんように。