砂川さん発行のメルマガGRADiに載ったお話をここにも置いておきます。
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あぁ〜あ、気が重くなる。
透析で通院している病院から、大腸検査を受けるように言われたのです。
大腸検査しんどいなぁ…何年ぶりだろう…。担当の医師から、総合病院とか大き目の病院で検査してほしいと言われました。
もしも病気が見つかった時に、処置や入院になっても対応できるようにということだった(透析ができる設備があるところということ)
さて、どこにしようか…私の通っている病院と同じ市内にも総合病院はあるのですが、嫌な記憶がありそこには行きたくないと思ったのでした。
それはだいぶ前のことだけど。
通院している病院の定期検査で腹部エコーをした際、膵臓に気になる箇所が見つかり、通院先の担当医からは「一日も早く詳しい検査を受けてください」と言われたのでした。同じ地域のその総合病院を受診することにして、もしものことがあったらと思い、パートナーも一緒に行きました。初めての受診、消化器内科の男性医師からの検査の説明を聞いた時もパートナーは一緒に話を聞き、検査直前まで側に付いていました。
が、検査が済んで結果説明の時になって、男性医師から付き添いの方もご一緒しますか?と聞かれ、私はもちろんハイと答えました。すると医師は、私の隣にいたパートナーを見て「妹さんですか?ん?(誰だっけという顔をして)ご家族の方ですよね?」と。私が「パートナーです」と答えると、男性医師は怪訝な顔をしました。そして露骨に「パートナー?」と聞き返しました。
私はまた「私のパートナーです」とハッキリと頑張りました。すると医師は「パートナー?」(ちょっと鼻で笑った感じだった)「何だかわからないけれど、ま、いいです。ハイ、では説明しますね」とドライな対応になった。パートナーのことを軽んじられたと思いました。こちらは最悪の結果もありうると緊張しているのに、イラッとした。でもとにかく彼女も一緒に説明を受けられるならと、気にしてない風に振る舞った。
結果は。異常なし。通院先の検査で指摘された部分は全く見られなかった。ほっとした。よかったという気持ちで、この医師の態度とかどうでもイイやと思って胸の中に納めたけれど、やっぱり今もずっと心に傷として残っている。というか、傷として残っていたんだなぁと今回の検査をどこにしようか考えることで蘇りました。
そしてセクシュアルマイノリティが利用しやすい病院ランキングとかあるといいのになぁと思いました。
しかし、自分のセクシュアリティに関係することをよく言ったよなぁと思います。当時、通院している病院でもクローズドで、砂川さんにもまだ出会っていません。何で行動出来たのか、それは私が透析を始めることになった緊急入院の際の記憶があったから。医師からパートナーを排除された苦い経験でした。だからもうそれは繰り返したくなかったのです。
自分たちを守るため、ギリギリのアピールをしたのでした。
あれから社会は進みました。私は自分を守ってくれる仲間を見つけ、自分を解放し、LGBT運動に参加することでちょっとだけ強くなりました。セクシュアリティもオープンです。
運動の盛り上がりで那覇市や浦添市はパートナーシップを導入しLGBTサポートを掲げています。そうそう、活動中、砂川さんが病院職員への講座も何度か開きました。講座を受けた職員の方は、皆さん真剣に聴いてくれてサポートの決意も聞くことが出来ました。
私にとってもその講座が開かれたことは、安心安全に直結した事でした。
行政や病院がLGBTサポートを表明することって重要だと実感します。命に関わることなのです。セクシュアルマイノリティの病院に行けない問題は多いのです。
私は今回「病院どこにしようか問題」を考えたことで記憶も蘇り、どこの病院にするかも決められました。
だから、講座を受けてくれた病院に行きます。講座から何年も経っているので実際どうかわかりませんが、嫌な気になっても、そのことを伝えやすいと思っています。